高崎・お散歩スナップ

 仕事の都合やら何やらで、実に半年以上もまともにカメラを使っていなかった。

 久しぶりに気が向いて、久しぶりにお散歩スナップでも、と思い立ち、まあ、とりあえず久しぶりだからF2で。なんて思いながらF2を出してみて驚いた。見慣れないレンズが装着されていたのだ。

 GN Auto Nikkor 45mmF2.8。当時はストロボのガイドナンバーと合わせて使う代物だったようだが、今ではそんな貴重な機能よりも、パンケーキレンズとしての評価の方が高い。まあ、当然と言えば当然の話。いや、それはともかく、自分がそのレンズを購入していた事さえ忘れていたのだから始末におえない。

 この「パンケーキ」45mmを装着して出かけた事が確かにあった。何しろフィルムが途中まで使われている。しかし、撮影したフィルムをまだ現像したことはなく、つまるところ、私はこのレンズで写真を撮ったことはあっても、その写真を見たことがなかったのだ。

 ならば、今回は何としても現像して、どんな写りをするものか、見てみたいじゃないの。そのままお散歩に出かけることに。

 パンケーキレンズの携行性はすこぶるよろしく、取り回しが楽ちんである。開放F値が2.8のため、ファインダーがほんのり暗く、ざらつく見え方をするものの、ピントの山は掴みやすく、扱いやすい。距離の回転方向が他のレンズとは逆なのが残念だが、だからといって致命的なマイナスファクターでもない。気軽に使えて写りはきちんと。撮影しながらそんな予感がした。気軽なお散歩カメラにF2とは贅沢だが、これに45mmが付いていると、肩の力もいい感じに抜ける気がする。

 しかし、45mmといえば、私の持っているカメラにCanonetがある。一眼レフとレンジファインダー、レンズ交換が可能なものと、固定レンズという違いもあるが、「気軽なお散歩撮影」なら、Canonetでも十分なんじゃ...。なんてことを考えてしまった。

 いやいや、やっぱり充実度は全く違う。と自分に言い聞かせながらブラブラ歩き回る。

 今回は自分の家の周辺を彷徨いたので、Canonetで撮影したものとかぶる被写体があるかもしれないが、ご容赦いただきたい。GN Auto Nikkor 45mmF2.8の写りは、とても気に入っている。ウキウキするほど。しばらく私の「標準レンズ」になりそうな感じだ。